美女と野獣


11月7日(火)事務所にて人形劇団ひとみ座の制作 田坂晴男氏から「美女と野獣」への熱い思い入れを聞かせてもらいました。2時間にわたるお話。その一部を紹介します。

『美女と野獣』はディズニーが原作だと思っていませんか?

アニメーション映画(1991年)からはじまり劇団四季ミュージカル・昨今では実写版映画でディズニーのイメージが強いですが(こちらはアレンジしたもの)、フランスの教師 J.L.ド.ボーモン夫人作のおとぎばなし(1756年出版)が原作とのこと。世界が荒んで、子どもも惨めな思いをしていた時代に、生きる望みをもたせたい、光をあててあげたいというおもいでつくられたということです。そんな原作に忠実につくられたのが、ひとみ座の人形劇『美女と野獣』です。

今回観る『美女と野獣』は人形劇団ひとみ座の4作目である

1956年に1作目1965年に2作目までは『ベルと魔物』という作品名でした。1975年より原作品名になり、1995年にペペを、そして最新作ではベトウを作り直し、今日に至ります。じつは、野獣もイケメンすぎたので作り直したそうです。セリフの言い回しも毎回変わるのだそうです。

生身の人間が演じるのではなく人形劇で表現するということは?

人形は不自由なものである、かつ作り物ではあるが、スポットを浴びて魔法がかかったように(人形だということを忘れ)違うものに見えてくる。観ている子どもたちは、口を動かすこともない人形が、何を言っているのか?目を、耳を傾け心をよせる。自分の経験を反芻して観ている。そのとき心が動く。野獣は人間が演じるより以上のものになる。

舞台セットにも注目してください 油絵具で描いている。ぼーっとした、淡い線にしている。絵幕なのでできるそうです(だまし絵のようだということです)

もととなる作品から数え半世紀以上にもわたってこの作品を演じられてきました。他の作品にはないとのこと。それだけ思い入れが強い作品だということが伝わってきました。